就労継続支援A型とB型の違いとは?雇用・賃金・対象者をプロが解説|スマイルハンズ和歌山

就労継続支援A型とB型の違いとは?
雇用・賃金・対象者をわかりやすく解説

「A型とB型って、結局なにが違うの?」——障害のある方やご家族から、いちばん多くいただく質問です。 名前はアルファベットひと文字の差ですが、働き方も、もらえるお金も、求められることも大きく違います。 和歌山でA型事業所を運営する私たちが、制度の建前だけでなく現場で見えているリアルまで、正直にお話しします。

先に結論:いちばん大きな違いは「雇用契約を結ぶかどうか」

A型は事業所と「雇用契約」を結んで働きます。だから最低時給以上の給料が保証されます。
B型は雇用契約を結びません。そのぶん自分のペースで通えますが、受け取るのは「賃金」ではなく「工賃」で、金額はA型よりかなり低くなります。
この一点を押さえると、残りの違い(対象者・年齢・働き方)はすべてここから枝分かれしていきます。

A型とB型の違いが一目でわかる比較表

まずは全体像から。細かい解説はこのあと一つずつ掘り下げます。

項目就労継続支援A型就労継続支援B型
雇用契約あり(事業所と契約を結ぶ)なし
受け取るお金賃金(給料)工賃
最低賃金(最低時給)適用される(最低時給以上を保証)適用されない
雇用保険あり(週20時間以上で加入)なし
平均月額
和歌山/全国(令和6年度)
約7万円
全国平均 91,451円
約1.7万円
全国平均 24,141円
対象年齢原則18〜65歳未満上限なし(原則18歳以上・条件により15歳から)
働き方決まった日数・時間で勤務体調に合わせて柔軟に
求められること一定の作業能力・継続して通えること比較的ゆるやか
こんな人に働く力はあるが一般就労はまだ不安な方体調の波があり、まず通うことから始めたい方

そもそも「就労継続支援」とは?

就労継続支援は、障害や難病などで一般企業に就職するのが難しい方が、サポートを受けながら働ける障害福祉サービスです。2006年に始まった制度で、「働く場所」と「働くための支援」がセットになっているのが特徴。 その中に雇用契約を結ぶ「A型」と、結ばない「B型」の2種類があります。 どちらを利用する場合も、お住まいの市区町村が発行する「障害福祉サービス受給者証」が必要になります。

就労継続支援A型とは(雇用契約あり)

A型は、事業所と雇用契約を結んで働くタイプです。一般企業で働くのはまだ不安だけれど、支援があれば継続して働ける——そんな方が対象になります。

対象になる人

原則18歳以上65歳未満で、一般就労が難しいものの、雇用契約に基づいて働ける方。特別支援学校の卒業生や、一般就労からの離職を経て再スタートする方も多く利用しています。

もらえるお金

雇用契約を結ぶため最低時給以上が保証されます。和歌山県では月額7万円ほど(全国平均は91,451円・令和6年度厚労省)。週20時間以上働く場合は、雇用保険の対象にもなります。

仕事の内容・利用期間

清掃、飲食店の調理補助、軽作業、データ入力など事業所によってさまざま。利用期間に制限はなく、ステップアップして一般就労を目指すことも、長く働き続けることもできます。

就労継続支援B型とは(雇用契約なし)

B型は、雇用契約を結ばず、自分のペースで作業に取り組むタイプです。体調に波がある方や、まずは「決まった場所に通う」ことから始めたい方に向いています。

対象になる人

年齢の上限はなく、体調や障害特性からA型での勤務(決まった時間の労働)が難しい方が対象です。50代・60代から始める方も少なくありません。

もらえるお金

雇用契約がないため最低賃金は適用されず、作業の成果に応じた「工賃」が支払われます。和歌山県の平均は月額約17,000円時給に換算すると200〜250円ほど(全国平均は月額24,141円・令和6年度厚労省)。ここがA型との一番の差です。

仕事の内容・利用期間

軽作業、内職、手工芸、農作業など、無理のない作業が中心。利用期間に制限はなく、体調と相談しながら長く通えます。

A型とB型の「5つの違い」をくわしく

① 雇用契約の有無 ―― すべての出発点

A型は雇用契約を結び、B型は結びません(どちらも事業所では「利用者さん」と呼ばれます)。この一点が、お金・働き方・求められることのすべてに影響します。

② 賃金と工賃 ―― 金額が大きく違う

A型は最低時給が保証されるのに対し、B型の工賃に下限はありません。同じ作業をしても、受け取る金額は数倍変わることがあります。

③ 対象者・年齢

A型は原則18〜65歳未満で、継続して通える力が前提。B型は上限がなく、原則18歳以上(条件を満たせば15歳から)と幅広く対応します。

④ 働き方の柔軟さ

A型は雇用契約があるぶん、決まった日数・時間で働くのが基本。B型は「今日は短めに」「週3日から」といった柔軟な働き方がしやすいです。

⑤ 求められるスキル

A型は一定の作業能力と勤怠の安定が求められます。B型はそのハードルがゆるやかで、まず働くリズムをつくるところから始められます。

【現場の本音】なぜ今、A型事業所は全国で減っているのか

現場の声

ここからは、制度解説だけでは見えてこない事業所側のリアルです。実は今、A型事業所は全国でどんどん減っています。理由は、2024年(令和6年度)の報酬改定にあります。

国の方針は「A型はビジネスとして自立してください」というもの。事業の売上の中から障害のある方の給料を払えるようにしなさい、それが難しい事業所への給付金は減らします——という、かなり厳しい締めつけが始まりました。

その結果、十分な売上・生産性を確保できているA型は、肌感覚で全体の2割ほど。残りの多くは運営が立ちゆかず、A型からB型へと切り替えています。住んでいる地域にA型がなく、やむを得ずB型を選ぶ方が増えているのが実情です。

「一般就労はまだ難しい。でも体調のいい日は普通に働ける」。そんな力のある方が、時給に換算すると数百円という条件では、どうしてもモチベーションは続きません。 だからこそ私たちは、安定した仕事を確保してA型にこだわり続けることを大切にしています。

A型・B型それぞれのメリット・デメリット

A型のメリット

  • 最低時給以上の給料が保証
  • 雇用保険の対象になりうる
  • 履歴書に就労実績を書ける
  • 働くリズム・自信が身につく

A型のデメリット

  • 決まった日数・時間の勤務が必要
  • 一定の作業能力が求められる
  • 地域によっては事業所が少ない

B型のメリット

  • 体調に合わせて柔軟に通える
  • 年齢の上限がない(原則18歳以上)
  • まず「通う」ことから始められる
  • 事業所数が多く選びやすい

B型のデメリット

  • 工賃が低め(和歌山平均 月約1.7万円)
  • 雇用契約・最低時給の保証がない
  • 雇用保険の対象外

A型とB型、どちらを選べばいい?

A型が向いている人

  • 働く力はあるが、一般就労はまだ不安
  • 最低時給以上の収入を得たい
  • 決まった時間に通う生活リズムを作りたい
  • いずれ一般企業への就職を目指したい

B型が向いている人

  • 体調や気分に波がある
  • まずは短時間・少ない日数から始めたい
  • 就労のブランクが長い
  • 自分のペースを最優先したい

どちらが合うかは、いま一人で決めきらなくて大丈夫です。実際に見学して、体験してみると「思っていたより働けそう」「やっぱりB型から始めたい」と、自分の感覚で見えてきます。

よくある質問(A型・B型の違い FAQ)

A型からB型、B型からA型に移ることはできますか?
できます。体調や働く力の変化に合わせて、A型からB型へ、またその逆へ移る方もいます。まずは支援員にご相談ください。
A型とB型を掛け持ちできますか?
原則として同時利用はできません。どちらか一方を選んで利用します。
障害者手帳がないと利用できませんか?
手帳がなくても、医師の診断書などで「障害福祉サービス受給者証」が交付されれば利用できる場合があります。
B型の工賃はどのくらいですか?
和歌山県の平均で月額約17,000円(時給換算で200〜250円)です。地域や事業所によって差があります(全国平均は月額24,141円・令和6年度厚労省)。
A型は誰でも入れますか?
雇用契約を結ぶため、見学・体験・面接を経て、継続して通えるかを確認したうえで利用開始となるのが一般的です。

和歌山でA型事業所をお探しなら|スマイルハンズ

スマイルハンズ和歌山は、「誰一人取り残さない」を理念に掲げる就労継続支援A型事業所です。 グループ会社からの安定した仕事があるため、景気に左右されにくく、A型としてしっかり給料をお支払いできる仕組みを持っています。 病院清掃や飲食店の厨房など、地域の中で「ありがとう」と言われる仕事を通じて、働く自信を取り戻せる場所です。

🌱 そして近く、B型事業所の開設も準備中です。 「A型ではまだ少し難しいけれど、B型なら受け入れられる」——そんな方も含めて、より多くの方を迎えられる体制を整えています。詳細が決まりましたら、あらためてご案内します。

まずは見学から。何度でも無料です。

表や言葉でいくら比べても、ピンとこないこともあります。
あなたが働く場所の空気は、来てみないと分かりません。
ご家族とご一緒の見学も歓迎です。

見学・お問い合わせはこちら

【出典】全国平均は厚生労働省「令和6年度 工賃(賃金)の実績について」(A型 平均月額賃金 91,451円/B型 平均月額工賃 24,141円)。 和歌山県の金額および「現場の声」は当事業所運営者へのインタビューに基づきます。数値は調査年度・事業所により変動します。

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